隣りの妻

真夜中の恋文

著者: 綾杉凛

本販売日:2002/11/10

電子版配信日:2013/09/20

本定価:576円(税込)

電子版定価:660円(税込)

ISBN:978-4-8296-6002-7

これは僥倖か、それとも神の悪戯なのだろうか。

インターネットで知り合い、待ち合わせ場所に現われた女は、

山室が密かに憧れる、隣家の美しき主婦・松下佳子。

50歳にして初めて味わう心のときめき、本能の高まり。

至福はホテルで佳子を抱きしめた時、最高潮に……

隣人妻と重ねられる真夜中のメールと密会が男の人生を変えた。

登場人物

よしこ(39歳)人妻

かずみ(42歳)人妻

本編の一部を立読み

最初に会ったとき、こんな清楚な美人と自分が一緒にいることが信じられなかった。長いメールのやりとりの間に山室の頭のなかでできていたイメージを、佳子ははるかに上まわる美しい女性だった。

佳子のそばにいるだけで胸が若者のようにときめき、あたたかいものが全身にひろがっていくような気分になった。

自分とは縁のない世界で生きている清楚な人妻。憧れ見あげることしかできない高嶺の花。それが佳子に対して抱いていたイメージだ。

その佳子が、真っ赤なパンティを剥きだしにし、足を大きく開いて山室の前に横たわっている。パンティの裾からは、数本の縮れた繊毛を覗かせ、腰をうねらせるようにして山室の愛撫を待っている。

自分はたしかに、佳子をこの手にしたのだ。美しく清楚で気品に満ちた人妻を、この冴えない中年男が自分のものにした。

その佳子を手放そうというのか。

山室は舌をたっぷりと覗かせ、膝頭から太腿のほうに舐めていく。佳子の腿の付け根に、ひきつるようにして筋が浮いている。腿の内側の肉が、山室の舌が動くたびに震える。欲情をそそる眺めだった。

佳子の股間から、噎せかえるような濃密な匂いが漂ってきた。甘酸っぱいその芳香は、秘所から立ちのぼってくる女の匂いだ。愛液とかすかに感じるアンモニア臭、そして秘所そのものが持つ独特な匂いが複雑に混ざり合った匂いだ。

佳子の秘所でも、そんな生々しい匂いがするのだ。全身を包みこんだとろけるような甘い芳香だけではなく、淫靡で妖艶な女の匂いがするのだ。山室は、あらためて佳子もまた普通の女なのだと実感する。

佳子は隣家に住む、ごく普通の人妻だ。

清楚なだけではない。美しいだけでもない。欲情もするし、いやらしい匂いを放ちもする。彼女は特別な存在ではない。

もう、夢を見る時間は終わったのだ。

「あン! はふぅぅン! くうっ……あぅン!」

山室の舌が少しずつ秘所に近づくと、佳子の官能の嬌声はさらに湿った艶やかなものになった。

これで最後だ。本当にこれで最後なのだ。山室は、心のなかで唱えながら舌を佳子の秘所に近づけていく。最後なら、佳子のすべてを味わいたい。彼女の女体の記憶を、目にも指にも唇にも舌にも鼻にも刻みつけたいと思った。

山室は佳子のパンティの股ぐりのところに舌を伸ばすと、クレヴァスの付近をなぞるようにねぶった。

「はんっ! くぅぅぅン!」

佳子の太腿の内側にぴくぴくと筋が浮きでる。山室はパンティの裾に沿って、じっくりと舌を這わせていく。佳子の股間から立ちのぼってくる女の匂いが、より濃密に淫靡になっている。山室はその匂いを胸いっぱいに吸いこみながら、執拗なまでに佳子の股間に舌を這わせた。

「あああ……お願い、そんなに焦らさないで」

佳子がせつなげにかすれた声でつぶやき、腰をくねらせる。股間のあたりまでがレース地になっているのでよくわからなかったが、すでに股布のあたりは愛液を吸いこみ、濡れ布巾のように湿っているようだった。

山室は佳子のパンティの裾に手をかけてみた。指先に熱く湿った感触が伝わってくる。愛液が裾のあたりまでひろがっているのだ。山室はゆっくりレース地の下着の裾をめくりあげていく。クレヴァスの周囲の産毛のような繊毛が覗き見え、愛液にぬめった佳子の肉襞が覗き見えた。

色白の佳子だが、クレヴァスの周囲の肌だけは薄赤い色合いをしている。肌の色が変わったあたりは、もれでた愛液で淫靡に濡れ輝いていた。パンティをめくりあげると、女の匂いは頭を痺れさせてしまうほど濃密になる。理性をとかす、淫猥な匂いだ。

山室は露わになった佳子の女陰をじっくりと凝視した。縦に六センチほどの肉の亀裂が走り、そこから薄い二枚の肉襞がはみだしている。クレヴァス周辺にはほとんど繊毛が生えておらず、細い産毛のような恥毛がまばらに生えている。繊毛はクレヴァスの上端から、扇状に生えている。一本一本が猫の毛のように細く、ガラス細工のようにつややかに輝く秘毛だ。

この美しい秘所を目にすることができるのも、今日で最後だと思うと、佳子の女陰がより神々しく、そして愛おしいものに思えた。山室はまるで唇にするように、佳子の女陰に口づけをした。

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